結論から言えば、湘南の家賃は築年とともに下がります。新築から築20年ほどでは1〜2割ですが、そこを越えると下げ幅が大きくなり、築古では間取りに応じて新築より2〜4割超安くなります。下げ幅がいちばん大きいのは単身向けの1Kで、築古は新築のほぼ半額です(roomap掲載データ ※1)。
湘南で物件を探していると、同じ間取り・同じエリアなのに家賃がずいぶん違う、ということがよくあります。その差を生む大きな要因が築年数です。本稿では、roomapに掲載されている湘南エリアの賃貸データをもとに、間取り・築年帯・街ごとの家賃を並べていきます。予算から「狙うべき築年」を逆算するときの判断材料として、住み替えや移住で部屋を探している人に向けた内容です。
比較の前提をそろえておきます。対象は湘南エリア(藤沢・茅ヶ崎・鎌倉・平塚・逗子・大磯・二宮)の掲載物件です。数値は2026年6月時点の平均で、間取りをそろえて比べます。母数が小さいエリア・帯は参考値として扱い、その都度ことわります。掲載件数そのものは非公開とし、平均と差だけを見ていきます。
築年が10年進むごとに、家賃はこう動く
まず全体像です。間取り別に、築年帯ごとの平均家賃を並べます(roomap掲載データ ※1)。
| 築年帯 | 1K | 1LDK | 2LDK |
|---|---|---|---|
| 築0〜5年(新築〜築浅) | 78,000円 | 107,000円 | 145,000円 |
| 築6〜10年 | 70,000円 | 101,000円 | 115,000円 |
| 築11〜20年 | 64,000円 | 97,000円 | 111,000円 |
| 築21〜30年 | 52,000円 | 87,000円 | 103,000円 |
| 築31年〜 | 42,000円 | 75,000円 | 91,000円 |
押さえておきたいのは、下がり方の「かたち」です。
- 最初の10年はゆるやかで、築20年を越えたあたりから下げ幅が大きくなります。この「築20年の節目」が、あとで”狙い目”を考えるときの目印になります。
- 下げ幅は間取りによって違い、いちばん大きいのは単身向けの1Kです(くわしくは次章)。
家賃を抑えたいなら、この「落ちる手前」をどう使うかがポイントになります。
間取りで「下がり方」はかなり違う
築年による下落幅は、間取りによって大きく変わります。

- 築古の1Kは、新築のほぼ半額まで下がります(新築の約8万円が、築古では約4万円。率にして約45%減 ※1)。
- 1LDKは約30%、2LDKは約4割の下落です。
下落率がいちばん大きいのは、家賃が最も低い1Kです。単身向けの古い住戸は供給が多く、価格競争が起きやすいためと見られます。一方ファミリー向けの広い間取りは、新築に高額帯が混じり、新築時点の平均を押し上げているようです。
家賃を最優先する単身者なら、築古の1Kはかなりのコストパフォーマンスになります。一方で1LDK・2LDKは下がり方がなだらかで、築年だけで大きな得をしにくい、と見てよさそうです。
なお3LDK以上の大型は、新築にタワー系や分譲賃貸など高額物件が混じるため平均が跳ね上がり、築古との差がさらに開きます。ただし掲載件数が少なく、ここは傾向の参考にとどめます。
築何年が狙い目か。予算から逆算する
築年と家賃の関係が見えると、部屋探しの順番を逆にできます。「いくらの物件があるか」ではなく、「この予算なら築何年が射程か」から考える、という順番です。
家賃8万円を上限にするなら、選択肢はこう変わります。
- 新築〜築浅でおさめるなら、1Kが中心になります。
- 築20年前後まで許容できるなら、同じ予算で1LDKも視野に入ります。
つまり築年をひとつ上げるだけで、間取りや広さを一段引き上げられる場合がある、ということです。
広さ・立地・新しさ。どれか一つを軸に決めると、築年帯はおのずと絞れます。築6〜10年は、新築に近い設備感と手ごろさのバランスが取りやすい帯です。
築古でも下がりにくい街、大きく下がる街

築年の効き方は、街によっても違います。市ごとに比べるときは、各市で掲載数が多く十分なサンプルが取れる1Kを使います。築浅(築10年以内)と築古(築20年以上)の平均を市別に並べます(roomap掲載データ ※1)。
| 市 | 築浅(〜築10年) | 築古(築20年〜) | 差 |
|---|---|---|---|
| 平塚 | 75,000円 | 43,000円 | 約44%減 |
| 鎌倉 | 93,000円 | 54,000円 | 約42%減 |
| 茅ヶ崎 | 77,000円 | 49,000円 | 約36%減 |
| 藤沢 | 71,000円 | 53,000円 | 約26%減 |
- 下がり方がいちばん小さいのは藤沢(約26%減)。駅前の利便性や人気が、築年の古さをある程度打ち消しているとみられます。築古でも値が落ちにくい街です。
- 大きく下がるのは平塚・鎌倉(約42〜44%減)。築年を許容できるなら、家賃を抑える余地が大きい街です。
- 鎌倉は築浅の1Kが最も高い(約9万円)一方で、築古になると約5万円台まで下がり、藤沢とほぼ並びます。鎌倉の家賃の高さは、築浅の物件に集まっているわけです。
家賃を抑えたいなら、築古で素直に下がる街を選ぶほうが効率的です。逆に、新しさや駅前の利便性を重視するなら、藤沢のように築古でも値を保つ街を選ぶことになります。築年と立地は、セットで見るのが現実的です。
安いのには理由がある。築古で確認したいこと

家賃が下がるぶん、引き換えに確認すべきことも増えます。
築年が古い物件は、設備・断熱・耐震が現在の基準に届いていない場合があります。とくに耐震は1981年(昭和56年)の新耐震基準が一つの目安で、これより前の建物は構造の確認をおすすめします(国土交通省 ※2)。あわせて、結露やカビの出やすさ、管理状態、共用部の維持状況も、内見で見ておきたいところです。湘南では海に近い物件だと、塩害や湿気も判断材料になります。
家賃の安さは、これらのリスクと天秤にかけて選ぶもの、と考えておくと失敗が減ります。築古を避けるべき、という話ではありません。確認すべき点を押さえれば、築古は十分に賢い選択になります。
まとめ:予算が決まっているなら、築年から考える
湘南の家賃は、築年とともに着実に下がります。下げ幅は間取りによって違い、とくに単身向けの1Kで大きく出ます。
予算を起点に、何を最優先にするかを一つ決める。それだけで、候補の築年帯はぐっと絞り込めます。
roomapでは、築年数やエリア、間取りを指定して物件を探せます。住み替え先の条件で、いまの相場を確かめてみてください。
この記事の情報源
- ※1 roomapの掲載データ(2026年6月時点。湘南エリアの賃貸掲載物件の平均値。掲載件数は非公開とし、平均・差のみ記載)
- ※2 国土交通省「住宅・建築物の耐震化について」(新耐震基準)

