予算に対して、部屋が少し足りない。湘南で物件を眺めていると、たいていこの状態になります。あと1万円下げたい。そのときまず緩める条件が、築年数です。
湘南の1Kは、新築の平均が約7.8万円、築31年を過ぎると約4.2万円です(roomap掲載データ ※1)。下がり方は街によってかなり違い、平塚では築古が築浅より約44%安いのに対し、藤沢では約26%しか下がりません。家賃が築年とともに下がるのはどこでも同じです。いくら下がるかが、街と間取りで変わります。
同じ間取り・同じエリアなのに、家賃がずいぶん違うことがあります。その差を生む大きな要因が築年数です。本稿は、予算から狙うべき築年を逆算するための材料としてまとめます。
対象は湘南エリア(藤沢・茅ヶ崎・鎌倉・平塚・逗子・大磯・二宮)の掲載物件です。数値は2026年6月時点の平均で、間取りをそろえて比べます。母数が小さいエリア・帯は参考値として扱い、その都度ことわります。掲載件数そのものは非公開とし、平均と差だけを見ていきます。
築年が10年進むごとに、家賃はこう動く
間取り別の築年帯ごとの平均家賃は、次のとおりです(roomap掲載データ ※1)。
| 築年帯 | 1K | 1LDK | 2LDK |
|---|---|---|---|
| 築0〜5年(新築〜築浅) | 78,000円 | 107,000円 | 145,000円 |
| 築6〜10年 | 70,000円 | 101,000円 | 115,000円 |
| 築11〜20年 | 64,000円 | 97,000円 | 111,000円 |
| 築21〜30年 | 52,000円 | 87,000円 | 103,000円 |
| 築31年〜 | 42,000円 | 75,000円 | 91,000円 |
押さえておきたいのは、下がり方の「かたち」です。
- 最初の10年はゆるやかで、築20年を越えたあたりから下げ幅が大きくなります。築20年の節目は、築年帯を考えるときの目印になります。
- 下げ幅は間取りによって違い、いちばん大きいのは単身向けの1Kです(くわしくは次章)。
家賃を抑えたいなら、大きく下がる築20年の節目を越えた帯が候補になります。
間取りで「下がり方」はかなり違う
築年による下落幅は、間取りによって大きく変わります。

- 築古の1Kは、新築のほぼ半額まで下がります(新築の約8万円が、築古では約4万円。率にして約45%減 ※1)。
- 1LDKは約30%、2LDKは約37%の下落です。
下落率がいちばん大きいのは、家賃が最も低い1Kです。単身向けの古い住戸は供給が多く、価格競争が起きやすいためと見られます。一方ファミリー向けの広い間取りは、新築に高額帯が混じり、新築時点の平均を押し上げているようです。
家賃を最優先する単身者なら、築古の1Kはコストパフォーマンスがかなり高くなります。一方で1LDK・2LDKは下がり方がなだらかで、築年だけで大きな得をしにくい、と見てよさそうです。
なお3LDK以上の大型は、新築にタワー系や分譲賃貸など高額物件が混じるため平均が跳ね上がり、築古との差がさらに開きます。ただし掲載件数が少なく、ここは傾向の参考にとどめます。
この条件のまま、掲載中の部屋を見る
築何年を選ぶか。予算から逆算する
築年と家賃の関係が見えると、部屋探しの順番を逆にできます。「いくらの物件があるか」ではなく、「この予算なら築何年が射程か」から考える、という順番です。
家賃8万円を上限にするなら、選択肢はこう変わります。
- 新築〜築浅でおさめるなら、1Kが中心になります。
- 1LDKが8万円の枠に入るのは築31年〜の帯です(平均75,000円)。築11〜20年の1LDKは平均97,000円で、8万円には届きません。
つまり、築年をどこまで許容するかで、同じ予算で選べる間取りが変わります。
広さ・立地・新しさ。どれか一つを軸に決めると、築年帯はおのずと絞れます。新しさを軸にするなら、候補は築6〜10年です。設備は新築に近いまま、家賃は新築〜築浅より一段下がります。
築古でも下がりにくい街、大きく下がる街

築年の効き方は、街によっても違います。市ごとに比べるときは、各市で掲載数が多く十分なサンプルが取れる1Kを使います。築浅(築10年以内)と築古(築20年以上)の平均を市別に並べます(roomap掲載データ ※1)。
| 市 | 築浅(〜築10年) | 築古(築20年〜) | 差 |
|---|---|---|---|
| 平塚 | 75,000円 | 43,000円 | 約44%減 |
| 鎌倉 | 93,000円 | 54,000円 | 約42%減 |
| 茅ヶ崎 | 77,000円 | 49,000円 | 約36%減 |
| 藤沢 | 71,000円 | 53,000円 | 約26%減 |
- 下がり方がいちばん小さいのは藤沢(約26%減)。駅前の利便性や人気が、築年の古さをある程度打ち消しているとみられます。築古でも値が落ちにくい街です。
- 大きく下がるのは平塚・鎌倉(約42〜44%減)。築年を許容できるなら、家賃を抑える余地が大きい街です。
- 鎌倉は築浅の1Kが最も高い(約9万円)一方で、築古になると約5万円台まで下がり、藤沢とほぼ並びます。鎌倉の家賃が高いのは、築浅の物件に高値が集中しているためです。
築年を許容したときに家賃が大きく下がるのは平塚と鎌倉、あまり下がらないのが藤沢です。築年と立地は、セットで見るのが現実的です。
築古で確認したいこと

家賃が下がるぶん、確認すべきことも増えます。
築年が古い物件は、設備・断熱・耐震が現在の基準に届いていない場合があります。とくに耐震は1981年(昭和56年)の新耐震基準が一つの目安で、これより前の建物は構造の確認をおすすめします(国土交通省 ※2)。内見では、次の点も見ておきたいところです。
- 設備と断熱の状態
- 結露やカビの出やすさ
- 建物の管理状態と、共用部の維持状況
- 海に近い物件なら、塩害と湿気の影響
築古の安さを取るかどうかは、これらのリスクと天秤にかけて決めると失敗が減ります。築古を避けるべき、という話ではありません。確認すべき点を押さえれば、築古は十分に賢い選択になります。
まとめ:予算が決まっているなら、築年から考える
下げ幅は、間取りと街で変わります。間取りでは単身向けの1Kがいちばん大きく、街では平塚と鎌倉で大きく、藤沢では小さく出ます。
予算を起点に、広さ・立地・新しさのどれを最優先にするかを一つ決めると、候補の築年帯はぐっと絞り込めます。
roomapでは、築年数やエリア、間取りを指定して物件を探せます。住み替え先の条件で、いまの相場を確かめてみてください。

湘南の家賃は築年でどれだけ下がる
湘南最大級の店舗ネットワークを持つユーミーネットの物件をそろえたroomapで、地図から部屋を探せます。
鎌倉市・藤沢市の家賃相場や住みやすさは鎌倉市の街情報ページ・藤沢市の街情報ページにまとめています。
この記事の情報源
- ※1 roomapの掲載データ(2026年6月時点。湘南エリアの賃貸掲載物件の平均値。掲載件数は非公開とし、平均・差のみ記載)
- ※2 国土交通省「住宅・建築物の耐震化について」(新耐震基準)


