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海の近くは家賃が高い、と思っていませんか ― 鵠沼海岸・茅ヶ崎、海まで歩ける1Kで一人暮らし【2026年時点】

海へと続く坂道の路地裏。海近の住宅街の小道 一般

海の近くに住みたい。けれど、どうせ家賃が高いんだろうな。そう思っている方は、けっこう多いのではないでしょうか。

ですが、海まで歩ける街の1Kは、平均で約6万円台です。内陸の駅とくらべても、ほとんど変わりません(roomapの掲載データ 2026年6月時点)。

わたしも最初は逆だと思っていました。砂浜まで歩ける部屋は、内陸より高いはずだ、と。ところがroomapに掲載されている1Kの家賃を駅ごとに並べると、予想は外れます。

「海に近い=高い」は、少なくとも1Kの一人暮らしでは成り立たない。

この記事では、鵠沼海岸・茅ヶ崎・辻堂を中心に、海近1Kの家賃をデータで確かめます。あわせて、家賃の数字だけでは見えてこない「海の近くで暮らす現実」も書きます。

海まで何分の街か ― 鵠沼海岸・片瀬・茅ヶ崎海岸

辻堂海岸の砂浜の遊歩道と自転車、遠くに江の島

海の近くといっても、駅から砂浜までの距離はそれぞれです。一人暮らしの部屋探しで最初に気になるのは、やはりここだと思います。

海近駅から海岸までの距離・徒歩の目安

  • 鵠沼海岸駅 → 鵠沼海岸:約650m・徒歩約5〜10分
  • 片瀬江ノ島駅 → 片瀬海岸:約210m・徒歩約3分
  • 辻堂駅 → 辻堂海岸:約1.6〜1.8km・徒歩約20分
  • 茅ヶ崎駅 → サザンビーチちがさき:約2km・徒歩約20分

(各駅から海岸までの距離・徒歩は地図・経路案内に基づく目安 ※1)

こうして並べると、ひと口に「海の街」と言っても距離感はそれぞれだとわかります。片瀬江ノ島は駅を出ればもう海、という近さですし、鵠沼海岸も10分かからずに砂浜へ出られる。一方で、辻堂や茅ヶ崎は駅から海まで20分ほど歩きます。同じ「海近」でも、毎朝海を眺めて暮らすのか、休日に自転車でふらりと向かうのか、生活の解像度はかなり変わってきます。

そしてもうひとつ、大事な違いがあります。観光の海と、暮らしの海は、時間帯が別物だということです。

夏の昼間、観光客が押し寄せる海と、人がはけた夕方以降の海。ここで暮らし始めると、日常的に付き合うのは後者の時間帯のほうが多いはずです。このあたりの「夏の時間割」は、別の記事「海開きの湘南で夏を過ごすなら」でくわしく触れています。

あくまで個人的な感覚としては、海まで徒歩5分と徒歩20分は、暮らし方そのものが変わる差だと思います。どちらが良いという話ではなくて、自分がどんな海との距離を求めているのか。そこを先に決めておくのが、街選びの出発点になります。

海近1Kの家賃相場 ― 「海に近い=高い」は本当か

海近で借りられる1Kワンルームの室内

いちばん知りたいのは、やはり家賃でしょう。海まで歩ける1Kは、平均約6万円台です。駅ごとの数字はこうなっています。

海近エリアの1K家賃相場(roomapの掲載データ 2026年6月時点)

  • 鵠沼海岸:平均 約6.0万円
  • 茅ヶ崎:平均 約6.8万円
  • 辻堂:平均 約6.2万円
  • 海近の駅をまとめた平均 約6.4万円 ≒ 内陸の駅をまとめた平均 約6.2万円

駅別の数字を、内陸の駅とあわせて並べるとこうなります。

区分 1K平均 家賃レンジ 平均駅徒歩
辻堂 海近 約6.2万円 3.0〜9.8万円 約14分
茅ヶ崎 海近 約6.8万円 3.0〜9.9万円 約12分
鵠沼海岸 海近 約6.0万円 4.1〜7.4万円 約8分
藤沢(内陸の代表例) 内陸 約6.9万円 3.9〜9.4万円 約11分
湘南台(内陸の代表例) 内陸 約6.6万円 3.7〜9.5万円 約8分

(roomapの掲載データ 2026年6月時点。絶対数は非公開、平均・レンジのみ ※2)

表にあげた藤沢・湘南台は内陸の代表例です。内陸の駅は数が多く、すべてをならすと平均は約6.2万円。これを、海まで歩ける駅群の平均約6.4万円とくらべてみます。

ほとんど変わりません。率にすればわずか約3%、金額でも二千円ほどの差です。

これはもう、誤差と言ってしまっていい水準ですね。しかも海近・内陸とも掲載は十分にあるので、たまたまの数字ではありません。「海の近くだから高い」は、1Kに関してはきれいに外れます。

では例外はないのか。一つだけあります。観光地のど真ん中の駅です。

片瀬江ノ島は約7.8万円、湘南海岸公園は約7.2万円と、たしかに一段高い。ただ、この2駅は掲載そのものが僅少で、あくまで参考値です。海の目の前は強気の値付けになりがちですが、玉数が少ないので「相場」として鵜呑みにはできません。逆に、本鵠沼のように約5.6万円台という駅もあります(こちらも掲載が少なく参考値です)。

つまり、上乗せが効くのは「海の目の前」のごく一部の駅だけ。海まで歩ける街の大半は、内陸と変わりません。分かれ目は「海か内陸か」ではなく、「どの駅・どの街か」なのです。

1Kの安さは、市全体で見るとさらにはっきりします。ここまでの相場は駅から歩ける範囲のものでしたが、次の表は駅から離れた物件も含めた市全体の平均です。同じ茅ヶ崎でも、駅の徒歩圏なら約6.8万円、市全体なら約6.0万円。範囲が広がるぶん、数字はひと回り下がります。その市全体で、1Kの平均と、ファミリー向けまで含めた全間取りの平均をくらべたのが次の表です。

1K平均 全間取り平均 1Kは市平均の
藤沢 約6.3万円 約11.4万円 約55%
茅ヶ崎 約6.0万円 約10.6万円 約57%
鎌倉 約6.8万円 約13.5万円 約50%

(roomapの掲載データ 2026年6月時点 ※2。駅別の表と違い、市全体の平均です)

1Kは、その街の家賃の「だいたい半分」です。ファミリー向けまで含めた湘南の家賃イメージで身構えてしまうと、ちょっと驚くかもしれません。ひとり暮らしの間取りなら、湘南でも約6万円台で十分に手が届きます。

予算から逆算すると、家賃約6万円を上限にする方なら、海近の辻堂や鵠沼海岸が十分に狙えます。築年数や駅からの距離をどう取るかは、駅ごとの家賃ランキングや、築年数と家賃の関係をまとめた記事もあわせて見てもらえればと思います。

「海の近くは無理」とあきらめる前に、まず数字を見てみる。これが大事です。

家賃の先にある「海近の現実」

買い物から帰宅してエコバッグに野菜を入れた女性

数字が現実的だとわかっても、海の近くの暮らしを家賃だけで決めてしまうのは、少しもったいない。憧れだけでなく、覚悟しておきたい現実もあわせてお伝えするのが、フェアだと思います。

海近の暮らしで、知っておきたいこと

  • 塩害・湿気 ― 海からの距離で影響が変わる。対策はできる
  • 夏の観光混雑 ― 海開きから夏は駅や海沿いの道が混む
  • それでも満足度は高い ― 湘南在住者の63.7%が「それでもやっぱり湘南が好き」(roomap調べ・429名 ※3)

まず、塩害と湿気です。

海からの潮を含んだ風は、自転車や家電、窓まわりの金具などを内陸より早く錆びさせることがあります。湿気で結露しやすい時期もある。これは海からの距離によってもかなり変わりますし、対策のしようもあります。ただ、ここで数字を断定できるほどの自社データはまだ手元にないので、くわしい対策は塩害・湿気をテーマにした記事や、内見チェックリストの記事に譲ります。海近を選ぶなら、頭の片隅に置いておきたいポイントです。

次に、夏の観光混雑です。

海開きから夏のあいだ、最寄り駅や海沿いの道は観光客でかなり混みます。住み始めれば、毎年めぐってくる「夏の渋滞」のようなもの。このあたりの過ごし方は別の記事に譲りますが、覚悟しておくと心構えが違います。

そして、見落としがちなのが買い物のしやすさです。海の見える部屋でも、毎日の食事や生活用品の調達が遠いと、暮らしはじわじわ大変になります。駅周辺に商店がそろう街なら徒歩圏で買い物が回せますが、ここは街によって差が出ます。

それでも、湘南暮らしの満足度は高いままです。先ほどの調査で63.7%が「それでもやっぱり湘南が好き」と答えているのは、塩害も混雑も引き受けたうえで、海のある暮らしを選び続けている人が多い、ということでもあります。

覚悟と満足は、両立します。海近の現実を知ったうえでなお、選ぶ価値はあると思います。

どの街が、どんな一人暮らしに向くか

高台から見た海と住宅地の街並み

街ごとの性格は、家賃水準・海への近さ・生活の便利さの3つで見ると、けっこうはっきり分かれます。

予算約6万円台で選べる、海近の街のかたち

  • 辻堂(約6.2万円) ― 掲載が多く、選択肢が豊富。海まで徒歩約20分、駅前の利便と両取り
  • 鵠沼海岸(約6.0万円) ― 海まで徒歩10分以内。落ち着いた住宅街の空気
  • 茅ヶ崎(約6.8万円) ― このなかでは少し高め。駅の利便と海の両立
  • 片瀬江ノ島(約7.8万円・参考値) ― 海の目の前。家賃は強気で玉数も少ない

辻堂は、掲載が厚く、選択肢が多いのが強みです。海まで20分ほど歩きますが、駅前は商業施設も整っていて、海と日常の利便を両取りしたい方に向きます。物件の母数が多いので、初めての海近一人暮らしでも比較しやすいはずです。

鵠沼海岸は、海まで徒歩10分かからずに約6.0万円。海近なのに落ち着いた住宅街の空気があって、「観光地に住む」というより「海のある街で暮らす」感覚に近い街です。静かな海近を求める方に合うと思います。

茅ヶ崎は、このなかでは少し高めですが、駅の利便とサザンビーチへの近さを両立できます。一人暮らしでも生活の幅を広く取りたい方に向きます。

片瀬江ノ島は、海の目の前という抜群の立地。ただ家賃は強気で、掲載も少ない。憧れの立地に賭けたい方向けの選択肢、という位置づけです。

ここに、絶対の正解はありません。約6万円という似た予算でも、辻堂の利便を取るか、鵠沼海岸の静けさを取るか、茅ヶ崎のバランスを取るかで、毎日の暮らしはずいぶん変わります。

物件のスペックを比べる前に、自分がどんな海との暮らしを送りたいのか。そこから街を選ぶのが、海近の一人暮らしでは大事だと思います。

みなさんも、まずは予算と「海への距離感」を手がかりに、気になる街の1Kをのぞいてみてください。思っていたより現実的な数字が並んでいるはずです。

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