藤沢市は、子育てのお金で悩みにくい街です。子ども医療費は18歳まで・所得制限なし・窓口負担なしで、出産や児童手当の給付も国の基準どおり受けられます。では何で差がつくのか——藤沢では「保育園に入れるか」「家賃」「学校の規模」です。
根拠にするのは、市の公式情報とroomapのデータです。湘南7市町の横並び比較は湘南で子育て、住むならどの市?にまとめており、本稿はその藤沢版にあたります。
藤沢の子育て支援、まず結論から
- 藤沢市の子ども医療費は、0歳から18歳の年度末まで・所得制限なし・窓口での自己負担なし(藤沢市 ※2)。
世帯の収入にかかわらず、保険診療の自己負担分が助成されます。藤沢は、roomapの子育て実態調査でも「子育てしやすい街」の1位に選ばれた市でもあります(roomap調べ ※1)。
お金の支援は、どこまで手厚いか
医療費以外の給付も、国の制度どおりに受けられます。
- 妊婦のための支援給付:妊娠の届出時に5万円、出産後に子ども1人につき5万円が現金で支給されます(藤沢市 ※4)。2025年4月に旧「出産・子育て応援給付金」から名称が変わったもので、内容はほぼ同じです。
- 児童手当:0〜3歳未満は月1.5万円、3歳〜高校生年代は月1万円(第3子以降は月3万円)。2024年10月から所得制限は撤廃されました(藤沢市 ※5)。
これらに藤沢市が独自で上乗せする給付は、公式には確認できません。お金の支援は国の制度どおりで、ここが市を選ぶ・外す決め手にはなりにくい。それが藤沢の前提です。
保育園に入れるか
ここが、藤沢で本当に見るべき点です。まず数字から。
| 区分 | 2026年4月 | 前年差 |
|---|---|---|
| 待機児童 | 7人 | — |
| 入所保留児童 | 440人 | ▲144人 |
(藤沢市 ※3)
「待機児童」と「保留児童」は、似ていて意味が違います。「待機児童」は国の基準で数えた人数で、育休の延長を選んだ人や特定の園だけを希望した人は除かれます。実際に「申し込んだのに入れていない」総数は「入所保留児童」です。実態に近いのは、保留のほうです。
藤沢の保留440人は湘南のなかでは大きめに見えますが、人口も申込数も多い大規模市だからです。前年からは144人減って、改善の方向にあります。大事なのは、申し込む前に、希望エリアの空き状況を市の窓口で確認すること。それが藤沢でいちばんの準備になります。
日常の預け先としては、「藤沢版つどいの広場」が片瀬・村岡・明治・湘南大庭・遠藤・長後の6か所にあり、子育ての相談や交流の場になります。用事や息抜きで短時間あずけたいときの一時保育(一時預かり)の制度も、別に用意されています(藤沢市 ※6)。
幼児教育は無償、副食費にも市の補助がある
幼稚園・保育園の利用料は、3〜5歳児を中心に国の制度で無償化されています。藤沢はこれに加えて、私立幼稚園の副食費(おかず代)を、世帯の所得に応じて上限月4,900円ほど補助します(藤沢市 ※7)。認可保育施設でも、一定所得未満の世帯や第3子以降などは副食費が免除されます。
給食費まわりの負担は、国の無償化に藤沢の補助が少し上乗せされる形です。大きな差にはなりませんが、知っておくと家計の見通しが立てやすくなります。
注意点:辻堂など、人気エリアの学校は規模が大きい
藤沢でもう一つ見ておきたいのが、人気エリアの学校の規模です。
藤沢市が適正とする小学校の規模は12〜24学級ですが、これを大きく超える学校があります。辻堂小学校は児童1,224人・39学級で市内最多、隣の鵠洋小学校も1,221人・38学級(2026年5月。藤沢市 ※8)。市も辻堂小を「過大規模校」と位置づけ、仮設校舎や教室の転用で対応しています。辻堂小学校区では就学先を一部調整する制度が設けられ、2024〜2028年度の計画のなかで通学区域の見直しも検討されています(藤沢市 ※8)。
これは藤沢の人気の裏返しでもあります。学校の規模は、市ではなく学区の単位で差が出ます。気になるエリアがあれば、就学先の学校規模を事前に確認しておくと安心です。
家賃と、子育て向きの狙い目エリア
支援が横並びなら、毎月の固定費=家賃が効いてきます。
- 藤沢市のファミリー向け2LDK・3LDKの平均は、約14.5万円(roomapの掲載データ・2026年5月時点 ※1)。湘南のなかでは、鎌倉に次いで高めの水準です。
藤沢といっても広く、辻堂・湘南台・藤沢駅周辺で相場も暮らしも分かれます。海に近い辻堂や利便の高い藤沢駅周辺は相場が上がりやすく、内陸の湘南台や北部は比較的おさえめ。同じ予算で広さを取りたいなら、駅やエリアを少しずらすだけで子ども部屋の余裕が変わります。駅ごとの細かい相場は駅別の家賃ランキングもあわせてどうぞ。
どんな家族に向く? 気をつけたい点は?
向くのは、街の便利さと海・自然のバランスを重視する家族です。買い物・医療・交通がそろい、海も近い。「子育てしやすい街」で湘南1位、医療費などの支援も手厚く、待機児童も7人と少なめです(roomap調べ ※1)。
一方で、気をつけたいのは次の3点です。
- 保育の「確実さ」を最優先するなら → 藤沢は申込が多く保留は多めです。待機ゼロの茅ヶ崎・平塚(湘南7市町の子育て比較)のほうが入りやすく、藤沢なら希望エリアの空きを申込前に市の窓口で確認したいところです。
- 辻堂など人気エリアを考えているなら → 人気の学区は小学校が大規模になりがちで、辻堂小学校は市内で最も児童数の多い学校です。就学前に、学区の学校規模を確かめておきたいところです。
- 家賃の安さを重視するなら → 藤沢は湘南で鎌倉に次いで高めです。同じ予算なら平塚・大磯のほうが広く住め、藤沢にこだわるなら内陸の湘南台・北部が狙い目です。
藤沢は、街の便利さと海の近さ、支援の手厚さがそろった街です。保育園に入りやすいか、人気エリアの学校が大きくなりすぎていないか、家賃に折り合いがつくか——この3つに納得できれば、藤沢は有力な候補になります。藤沢で子育ての新生活を始めるなら、湘南最大級の店舗ネットワークを持つユーミーネットの物件をそろえたroomapで、ご家族に合う藤沢のお部屋を探してみてください。
この記事の情報源
- ※1 roomapの掲載データ(2026年5月時点・2LDK/3LDK平均)およびroomap 子育て実態調査2025(湘南の子育て世帯329名)
- ※2 藤沢市 小児医療費助成制度
- ※3 藤沢市 保育所等の待機児童数(2026年4月1日)
- ※4 藤沢市 妊婦のための支援給付(旧 出産・子育て応援給付金)
- ※5 藤沢市 児童手当
- ※6 藤沢市 つどいの広場/藤沢市 一時保育(一時預かり)
- ※7 藤沢市 私立幼稚園の副食費補助
- ※8 藤沢市 市立小学校の児童数・学級数

